2010 Fiscal Year Annual Research Report
「保育の質」を評価するための保育カンファレンスに関する実践的研究
Project/Area Number |
22730622
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松井 剛太 香川大学, 教育学部, 准教授 (50432703)
|
Keywords | 保育の質 / 保育カンファレンス |
Research Abstract |
本研究の目的は,「保育の質」の保障が叫ばれる昨今の状況において,保育の質を保育所・幼稚園で評価するために,保育現場における保育カンファレンスの分析手法の開発と,その有効性を検討することであった。 平成22年度は、1.保育の質の評価のための資料収集,先進地の実地調査、2.保育の質の自己評価指標の検討・記述様式の開発、3保育カンファレンスの分析手法の開発、の3点を計画して研究を遂行した。保育の質の評価のための資料収集に関しては、ニュージーランドの就学前教育のカリキュラムであるテファリキと評価であるラーニングストーリーに関する文献を収集して分析した。日本における幼稚園教育要領、保育所保育指針と子どもの発達を評価することの関連性を検討した。保育の質の自己評価指標の検討と記述様式の開発については、資料をもとに保育記録を活用した形での様式を開発した。実際に数名の保育者に使用した結果、保育記録の活用は日々の保育の振り返りに有効であることが成果として挙げられ、いかに簡略化した手続きで図化できるかが課題となった。保育カンファレンスの分析手法の開発に関しては、テキストマイニングソフトを使用して、これまでの保育カンファレンスの会話記録を試験的に分析した。会話記録を単語やフレーズに分割し、それらの出現頻度を測るのは可能であり、最初の段階として必要になる。しかし、テキストマイニングにも限界はあるため、分析の踏まえた評価のリライト、再議論も重要であることがわかった。次年度は、本年度に開発したものをより広範に試行して評価したい。
|