2011 Fiscal Year Annual Research Report
公民館経営の方法に関する実証的研究:社会的役割の観点から
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22730625
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Research Institution | ノースアジア大学 |
Principal Investigator |
井上 伸良 ノースアジア大学, 法学部, 准教授 (50569902)
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Keywords | 公民館経営 / 社会教育 |
Research Abstract |
本研究は、公民館経営に関する学術的・実践的知見を整理するとともに、複数の自治体を対象として、公民館活動や当該自治体における公民館の配置状況等に関する質量を伴ったデータを収集・分析することを通し、公民館が有する社会的役割に関して裏づけのある議論を展開することを目的としている。 研究期間の2年目となる平成23年度は、前年度に作成した調査票を基に秋田県北地域の公民館・公民館類似施設を対象として社会調査を実施し、過疎自治体の多い地域における公民館の対象区域や他の教育機関などの関連施設の存在状況について特徴的なデータが得られ、公民館の平均的な実態を捕捉するという本研究の目的の1つが達成された。また公民館(類似)施設の社会的な役割・機能と関わって、役場の支所・出張所として機能していること、館によって主催事業の実施状況の程度差が大きいことなどが明らかとなった。 さらに公民館の社会的意義を浮き彫りにするため、公民館非設置自治体へのヒアリングを行い、当該自治体において公民館にかわる社会教育の拠点となる場の有無について質的データを得た。同ヒアリング調査では、学校や集会所を媒介とした社会教育活動の展開に関する知見を得るとともに、自治体内の主要産業の内容によって、学習活動を行う余暇時間の程度が変わり、ひいては教育機関の必要程度とも関連しうるという研究上の新たな視点が得られた。また、公民館を他種施設へと転用した事例についてもヒアリング調査を行い、財政合理化という側面に注目して「公民館」経営を考えるための情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に記載した調査をとりまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票調査の実施対象へのヒアリングを行い、公民館経営の実態に関して質量を兼ね備えた資料が得られるように研究を進める。
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