2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730637
|
Research Institution | Hamamatsu Gakuin University |
Principal Investigator |
緩利 誠 浜松学院大学, 現代コミュニケーション学部, 准教授 (80509406)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 「脳科学と教育」研究 / カリキュラム研究 / ポジティブ心理学 / カリキュラム・アセスメント / 強み |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成24年度はこれまでの研究を総括し、今後の「脳科学と教育」研究、とりわけ、本研究の主題であるカリキュラム研究への応用を中心に、今後の展望と課題を明らかにした。 「脳科学と教育」研究は、一時の過激すぎた「脳ブーム」を終え、腰を据えて研究できる体制や雰囲気を整えつつある。人間の発達や学習に関する様々な脳科学的知見が次々と蓄積され始めているものの、学校カリキュラムの開発に役立てようとすると、直接的には役に立たないものがまだまだ多い。今後、脳科学と教育学・カリキュラム研究が生産的な関係を築いていくためには、①人間を「全体的な視点」から捉えること、②脳と心を「媒介」するものを模索し、心理学の有用性も認めること、③不用意かつ短絡的な教育との結びつきには慎重であること、④教育を論ずるためには発達的視点と理解を理論やモデルに組み込むこと、そして、⑤人間の共通性だけではなく多様性を認めること、⑥いずれの場合も科学的裏づけを希求すること、が求められることを指摘した。 また、「脳科学の応用」を模索する際、「応用する」という行為が教育学・カリキュラム研究を受動的な立場に追いやり、「要領の良いまとめ屋」に終始させてしまう恐れがあることにも言及した。そこで、今後、注目すべき分野としてポジティブ心理学を挙げ、その分野を介して脳科学との接点を見出しながら、教育学・カリキュラム研究の側からも具体的な実証データを提示していく必要があることを主張した。そのための具体的方策として、カリキュラム・アセスメントの視点と方法の理論化を挙げた。そのキーワードには①「解決志向」への転換、②「ニーズの特定」、③「個人内差」の把握、④カリキュラム妥当性への着目、⑤「強み」に基づく「成長モデル」による対応、を挙げることができる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)