2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730644
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Research Institution | Yamaguchi Gakugei College |
Principal Investigator |
松村 納央子 山口学芸大学, 教育学部, 准教授 (50341136)
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Keywords | F.フレーベル / 自然哲学 / 連続性 / Ch.S.ヴァイス |
Research Abstract |
F.フレーベル(Frobel,F.W.A.1782-1852)が教授項目として「自然(Natur)」を重視するに至った過程の一端を明らかとすることを課題とし、未刊行資料「ヴァイス教授の自然諸学に関する哲学的検討」(Uberdes philosophische Studium des Naturwissenschafts von Prof.Weis.Aus:Deutsches Institut fur internationale padagogische Forschung.Bibliothek fur bildungsgeschichtliche Forschung[DIPF.BBF]/Archiv.Bestand der friiheren Akademie der padagogischen Wissenschaften[Archiv.APWA]Nachlass Friedrich Frobels.Sig.334,B1.1-B1.10RS;Abkr.BN 334)の読解につとめた。本資料はフレーベルが師事したベルリン大学結晶学研究室教授ヴァイス(Weiβ,C.S.1780-1856)の理論を手掛かりとした論考である。 この論考でフレーベルは自然の事物には(1)存在条件としての統一性と多様性、ないしは普遍性と特殊性についての観察、そして(2)事物が事物たる条件としての発生-存続-消滅の過程についての観察を重視していること、それゆえ生成過程としての連続性が鍵概念となっていることが明らかになった。 これはフレーベルの論述に見られる「象徴としての数」の基礎をなすものと思われる。連続性とはモノや感覚の連続、ないしは徐々に変化することを示す用語である。また数学の用語では(有理数と無理数とを合わせた)全ての実数の「連続体」を指す。また生態学において、特に植生群集は様々な集個体群の重なりによって成立しており、環境傾度に沿って連続的に移行するという「群集連続(説)」を指す。このような学術用語の多様な視座から人間形成の考察の可能性が高まったものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関を異動し、研究環境整備ならびに校務と研究との調整に時間を要したため。 また、研究発表は行ったものの、その成果を論文として精査する作業が予定より遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
一次資料の精読を継続すると同時に、周辺資料の読解を加え、更なる研究の深化に努める。その際、ドイツ国内の研究者・司書との密な連絡を図った上で渡航、資料精査を進める。 そして、1810年代ならびに1820年代におけるフレーベルの自然哲学の展開を主題とし、ロマン主義的議論のひとつ「数的論理による原初と永遠性に関する暗喩」を中心とした人間形成に関する思想展開とその歴史的意義について考察する。
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