2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハウプトシューレの廃止に伴うドイツ教育評価制度の変容
Project/Area Number |
22730645
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
卜部 匡司 徳山大学, 経済学部, 准教授 (30452600)
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Keywords | ハウプトシューレ / ドイツの教育 / 教育評価 / 教育制度改革 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ハウプトシューレ(基幹学校)の廃止とともにドイツにおいて教育評価制度がどのように変容しているのか、その変容過程を時系列的、実証的に解明することである。そのうち本年度の目標は、ドイツにおけるハウプトシューレの廃止過程およびそれに伴う中等教育制度の再編プロセスを実証的に解明することであった。具体的には、ラインラント・プファルツ州を中心に、文献資料による基礎調査(ハウプトシューレの廃止や教育評価制度の改革に関連する政策資料、教育評価理論に関する文献などの収集・分析)を実施したうえで、現地調査(教育政策担当者、研究者、学校長・教員へのインタビュー調査ならびにヨーロッパ教育学会への参加)を行った。その結果として、次のことが解明された。 ラインラント・プファルツ州は、すでに2009年秋の新学期からハウプトシューレを廃止し、それらをレアルシューレ(実科学校)に統合させた。その背景には、少子化現象ならびにハウプトシューレのスティグマ化現象があった。また、新制度の特徴は、次の4点に集約される。第1に、それが児童生徒に対してより多くの進路選択の可能性を与える仕組みになっているという点。第2に、児童生徒の興味関心に合わせて個別的な支援を行うという点。第3に、職業訓練との綿密な連携のもとで学習を進めていくというカリキュラム構造になっている点。第4に、新制度が児童生徒にポジティブな将来展望を与える制度になっている点である。
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Research Products
(2 results)