2011 Fiscal Year Annual Research Report
男女平等教育をめぐる教員研修制度・内容の改善を目指す基礎的調査研究
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22730654
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
木村 育恵 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (50447504)
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Keywords | 教員研修 / 教師文化 / 男女平等教育 / 男女共同参画 / ジェンダー |
Research Abstract |
本研究は、男女平等教育に関する教員研修プログラムに着目し、(a)教育行政における教員研修の実際(マクロ分析)、(b)教師個人の文脈での男女平等教育実践の実際(ミクロ分析)を調査により明らかにするものである。これにより、教員研修の実際と教育現場の課題の「ねじれ」を明らかにし、教育行政の男女平等教育に関する研修プログラムの批判的検討とジェンダー研究に依拠した教師文化論からの教員研修の課題を提案することを試み、「ジェンダーと教育」研究と教育現場の「協働」の構築を提案することを目指す。 本年度においては、前年度までに教育センターを対象に実施した「電話調査」及び「質問紙調査」をもとに、次のように研究を遂行した。すなわち、上記(a)教育行政における教員研修のマクロ分析については、男女平等教育・男女共同参画に関する研修の現状を分析し、(b)男女平等教育・男女共同参画に関する研修・教育実践の実際等に関するミクロ分析については、調査データ及び研修資料などをもとに、研修をめぐる現在の状況を整理した。具体的には以下のとおりである。 第一に、都道府県・政令指定都市・中核市の教育センターから得られた教員研修の実態に関する調査データをもとに、統計的手法を用いて、男女平等教育・男女共同参画に関する研修の内容・項目、研修の位置づけなど、当該研修の現状を分析した。 第二に、県市の特徴と併せて、各県市から得られた当該研修をめぐる状況についての資料や個別の電話によるインタビュー調査から得られた知見を整理した。 以上から、当該研修の実施や設定をめぐる教育センター(教育行政側)の状況について、その特徴や現状を明らかにした。これらの成果は、日本教育社にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに実施予定のデータ収集及びヒアリングについては、十分に実施できている。また、それらをもとにした分析から得られた知見は関連学会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、調査データ分析によって、男女平等教育・男女共同参画に関する教員研修の実施や設定に関する現状が明らかになってきた。それと同時に、当該研修の実施・設定の困難な側面と、今後の研修の広まりにつながる可能性のある側面も示唆されつつある。 今後は、これらの点についてさらに焦点を当てて研究を遂行するつもりである。
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