2012 Fiscal Year Annual Research Report
中学・高校生のメディア利用と教育的統制に関する社会学的研究
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22730656
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大多和 直樹 帝京大学, 文学部, 講師 (60302600)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中高生のメディア利用 / 生徒指導 / 生徒文化 / 若者論 / メディアコミュニケーション |
Research Abstract |
申請書に記載した作業を遂行したが、最大の変更点は、中学生対象の(拡充)質問紙調査が調査時期の関係で先方と折り合いがつかず、新年度に持ち越しとなった。その分、これまで蓄積したデータの蓄積、および、映像については個人が特定できる部分(顔など)に編集を加えておく資料準備の作業を進めることとした。実施した作業は以下の通り。 1.メディア利用と生徒文化に関する質問紙調査:首都圏および地方の同一学区の学校を対象とし(中学5校)、1~3学年の生徒360人(4クラス×3学年)を対象とし(対象者数は中学5校×360人=1800人)学校が比較的忙しくない2学期の中間テストまたは期末テストの直後のタイミングで調査を行うことを予定していたが、時期についての折り合いがつかず、次年度に持ち越しとした。付随して行う教師調査(インタビュー)および生徒対象インタビュー調査についても次年度、持ち越し。 2.学会発表:初年度に行った生徒対象の質問紙調査をデータとし、教育社会学会にて学会発表を行った(「中学生のケータイ・ネット利用にみる現代の生徒文化-首都圏X 市における中学生対象質問紙調査より-」○小林至道(青山学院大学大学院)中西啓喜(青山学院大学大学院)との共同発表)。 3.ネット調査: ひきつづき、ネット上で、どのように子ども/若者がコミュニケーションを行っているのかについて調査した(とくに「学校裏サイト」を中心にログの収集・分析を行っている)。 4.データの編集と蓄積:個人情報をネットに接続しない専用パソコンに保存するとともに、個人情報の処理を行いデータを整備した。モザイクを入れるなど、一見簡単なもののその実、高度な技術を要する作業であるためすべて官僚しているわけではない、個人情報処理については、次年度についても引き続き行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中学生対象の(拡充)質問紙調査が調査時期の関係で先方と折り合いがつかず、新年度に持ち越しとなったことで、遅れが生じることとなった。これに付随して、質的なデータ収集である教師調査(インタビュー)および生徒対象インタビュー調査も実施することができなくなった。 だが、近年、学校を通じた調査が難しくなることは、本科研申請時から予想されていたことであり、それを念頭に置き4年間という長い時期での研究機関を頂いている。他の調査については、データ収集を進めており、一定の達成度を確保できていると考えられる。 そこから、「やや遅れている」という自己評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
中学生対象質問紙調査(メディア利用と生徒文化に関する質問紙調査の拡充調査)を実施すべく、再調整を行う。場合によっては、対象校の変更を含め体制の立て直しを行う。 それとともに、蓄積されたデータの分析を進め、情報発信を行う予定である。具体的には、中高生のメディア利用についての小規模なポータルサイトを立ち上げることを準備している。また、学術論文の執筆も行っており、書籍の1章および投稿論文を用意しているところである。この作業は、研究計画の理論的な整理の最終段階にあたる。 引き続き、データ収集(ネット調査)およびこれまで収集したデータの蓄積および整理(とくに個人情報の処理)を行っていく。
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