2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア地域の留学生政策における「競争」と「協働」のメカニズムに関する研究
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22730663
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 千晴 神戸大学, 留学生センター, 准教授 (30432511)
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Keywords | 高等教育 / 留学政策 / 東アジア / 国際教育交流 |
Research Abstract |
本研究では、平成22年~平成24年の3年間の研究期間内に、中国、韓国、日本の留学生政策の諸相として、1)各国政府の留学生招致政策とその比較検証、2)各国において展開されている留学生教育プログラムの政策的意義、現状、課題、3)各国の大学における2国間あるいは3カ国間の学生交流の実施状況、4)既存の学生交流の課題、以上4点を検証することを通して、東アジア地域の国際教育交流における「競争」と「協働」のメカニズムを解明し、同地域における質の保証を伴った域内学生交流の発展・拡大に向けた課題を明らかにすることを目指す。初年度である平成22年度は、中国と韓国の政策文書・統計資料、学術論文を整理し、各国の留学生政策、高等教育の国際化の動向について分析・検証をおこなった。中国については、2008年に発表された、2020年までに50万人の留学生を受け入れるという「留学中国計画」を中心に検証し、その成果を「中国の留学生教育政策-二一世紀における留学生受け入れ大国」『中国21』Vol.33として発表した。また、2010年9月に北京大学国際関係学院、清華大学機械工程学院を訪問し、両機関における英語による留学生向け学位プログラムの実施状況について聞き取り調査を行った。この成果は、2011年6月に開催される日本比較教育学会にて発表する予定である。更に、中国の高等教育の国際化及び留学政策の動向について、2011年5月にカナダ、モントリオールで開催されるComparative and International Education Society (USA)において、発表する予定である(決定済)。韓国については、Study Korea Projectに関する政策文書、学術論文を中心に検証した。更に、2010年8月には、韓国の研究協力者であるDr.Loren Goodman, Assistant Professor of the Creative Writing and English Literature at Yonsei Universityの協力を得て、Yonsei University, Underwood International Collageを訪問し、同機関における英語による学位プログラムの実施状況、教育の質保証への取り組について聞き取り調査を行った。この成果は、来年度実施する他の韓国の大学への調査結果とともに発表する予定である。
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