2011 Fiscal Year Annual Research Report
初任者への指導・支援と学校の組織風土が初任者の力量形成に及ぼす影響
Project/Area Number |
22730664
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米沢 崇 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (20569222)
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Keywords | 初任者 / 指導教員 / 力量形成 / 組織風土 |
Research Abstract |
本研究の目的は,小学校の初任者と勤務校の学校長及び指導教員を対象としたアンケート調査により,初任者への指導・支援の取り組みと教職員集団の組織風土が初任者の力量形成に及ぼす影響について明らかにすることであった。 平成23年3月に本調査を行い,A県内の平成22年度採用の初任者101名,勤務校学校長86名,指導教員90名から回答が得られた。本年度は得られたデータをもとに初任者への指導・支援の取り組みと教職員集団の組織風土が初任者の力量形成に及ぼす影響について分析・考察を行った。 その結果,1)初任者として1年間過ごす中で子どもへの対応に関する力量や授業計画・授業実施に関する力量を身につけた初任者ほど,子どもとの関係にかかわる悩みについて指導教員から助言を受けたり,授業研究会等で授業計画・授業実施にかかわる指導を受けていること,2)人間関係づくり・学級づくりに関する力量を身につけた初任者ほど,指導教員から子どもとのかかわり方に関する有用な情報や保護者対応時にサポートを受けていること,3)初任者は,相談にのってくれる指導教員の姿から教師としての態度を学びとっていること,4)初任者の勤務校で組織風土(成長的・挑戦的雰囲気,開放的・一体的雰囲気,校長との肯定的雰囲気)が醸成されているほど,初任者の力量形成に資する指導教員からの具体的な指導支援が行われていることが明らかになった。この他に,初任者・校長・指導教員ともに勤務校の組織風土をポジティブに捉えていることや,校長と指導教員では初任者イメージに対する意識に差異があることも明らかとなった。
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