2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ諸国におけるムスリム移民の教育と社会統合に関する研究
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22730679
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
丸山 英樹 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 主任研究官 (10353377)
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Keywords | 教育学 / 比較教育 / 移民教育 / 社会関係資本 / トルコ / ドイツ / イスラーム教育 / ノンフォーマル教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イスラーム教徒(ムスリム)移民の受入社会に対する社会統合にはソーシャル・キャピタルの蓄積が影響を持つことを、学校内外の教育実践に着目し、移民の視点から明らかにすることである。本年の研究は、文献調査・理論研究と海外調査・成果発表からなった。 文献調査・理論研究では、社会統合に関連し、EUにおける複言語主義の背景と実践事例、移民研究のレビューを行い、それぞれ論文とした。複言語主義は多言語主義の理想状態よりも現実的な状況への対応ともとられ、その背景には欧州における移民の存在があることを、欧州理事会の資料で裏付けた。移民研究レビューでは、他分野における研究蓄積を概観した後、教育研究としての課題について記した。特に、学際的アプローチが今日の動的なトランスナショナル状況に必要であることを指摘した。 海外調査として、トルコ教育省への聞き取りから、在ドイツ・トルコ大使館における取り組みの詳細を得た。ホスト側(ドイツ)の教育支援だけではなく、出身側(トルコ)からの支援も構造化されたものが重要であることが示唆された。その具体的な事例については、来年度以降の欧州における実践を調査する必要性を確認した。また、ドイツ(ベルリン)において母親ムスリムを主な対象としたノンフォーマル教育支援事業について、これまでの研究蓄積としてまとめ、世界比較教育学会において成果発表し、評価を得た。
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Research Products
(6 results)