2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730691
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小笠原 拓 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20372675)
|
Keywords | 教育学 / 国語教育 / 教育史 / 教員養成 / 資格試験制度 |
Research Abstract |
本年度はまず、試験問題の全容を明らかにするため、その収集と整理を主な課題とした。当時の教育雑誌である『文検世界』(国民教育会)や『受験界』(受験界社)、「受験手引書」呼ばれる書物群(国文学雑誌社編『国語漢文科 中等教員志望者必携』(明治書院、1903年)、三幣嶺南『国語漢文検定試験答案』(大学館、1910年)、北川三友・若山操編『中学校師範学校高等女学校 教員受験撮要』(修学堂、1912年)、瀧澤良芳『文検受験用 国語漢文科問題詳解』(大同館書店、1915年)、西川良一『文検国語科の新研究』(文泉堂、1935年)、山下賤夫『文検指定国語科必読書の研究』(大蔵広文堂、1935年)等)、更には文検国語科合格者によって発行された雑誌(日本文学研究社編『日本文学』、名古屋国分学会編『国漢研究』)などを用いて、過去問題のリストを作成中である。 すでに多くの資料を収集し終えているが、それぞれが断片的なデータであるため、全体を通した形式の統一を図って問題を整理する必要がある。また制度発足当時や戦時中は、データが限られており、完全なリスト作成までには至っていない。問題形式の変遷など歴史的な流れを注視しながら、できるだけ正確なデータを集め、制度史全体にわたる問題リストの完成を急いでいる。 しかしながら試験の全体像は把握できつつあり、難易度等についても時代ごとの変化も含め理解が大きく進んできている。今後資料としてまとめ、何らかの形で公開を予定している。
|