2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730691
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小笠原 拓 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20372675)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国語教育 / 教員養成 / 資格試験制度 / 教育史 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの調査研究で積み残しとなっていた作業を続けるとともに、調査によって明らかになった事実を資料化し、その一部については本研究の成果として論文による発表を行った。具体的には、以下の二つの作業を中心に行った。 第一に、受験生達が独学を行う際に拠り所となった、受験参考書や受験雑誌の内容、さらには受験雑誌における模擬試験の実施状況等について、様々な研究機関や地方図書館などにおいて資料調査を実施した。特に大正から昭和初期にかけて東海地方を中心に活動を行っていた名古屋国文学会に関する資料について、日本近代文学館や国立国会図書館等における調査を行った結果、会が発行していた雑誌内での模擬試験の実施状況を把握することができ、さらに周辺の研究者との関係を解明する上で貴重な手掛かりとなる資料も発掘することができた。 第二に、試験内容の全体像と難易度、および試験の各領域に関する受験生の学習状況などについて、これまでの資料をもとに概要を論文としてまとめることができた。試験問題についてはまだ未発見の年度があるなど今後に課題を残すものではあったが、明治半ばから昭和初期にかけて、問題の難易度や領域および内容が、社会情勢や受験生の状況などに応じて、どのように変化してきたかをみるための基礎的な資料を提示できたと考えている。さらに論文の中では、試験そのものが出題内容を「権威化」する可能性についても言及し、その証左として、当時出版間もない近代文学作品の出題状況を指摘した。 これらの作業以外にも「九州を中心とした文検学習グループの活動状況」「芳賀矢一や保科孝一を中心とした試験委員の試験への関与の実態」「受験雑誌に掲載された受験体験記にみられる学習の実態」等について調査を続けており、そのいくつかについては現在、論文等による研究内容の公開を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)