2011 Fiscal Year Annual Research Report
多元的な見方・考え方を育成する小・中・高一貫歴史カリキュラムの開発研究
Project/Area Number |
22730693
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 秀和 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50400122)
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Keywords | 教育学 / 社会科教育 / 歴史教育 / 小・中・高一貫 / カリキュラム / アメリカ / 多元的な見方・考え方 |
Research Abstract |
1.小・中・高一貫の歴史カリキュラム構成論の考察 (1)知識の性質(レベル)の観点から これまでに分析してきた小・中・高の歴史カリキュラムをあらためて問い直し,どのような性質の知識(説明力の大きさによって,総合的理論と分析的理論(類型的理論,普遍的理論)に区分)をどのような順序・方法で学習させれば,子どもの社会的なものの見方・考え方が深化・拡大しうるのかを検討した。 (2)現代社会理解の観点から ニューヨーク州の社会科を事例にして,「現代社会理解」の観点から小・中・高の歴史カリキュラムの段階性を明らかにした。(ニューヨーク州の社会科およびその歴史教育についてはすでに分析したことがあるが,今年度は,「現代社会理解」の観点を踏まえて再検討を試み,論文にまとめた。)分析の結果,このカリキュラムが,(1)小・中・高で焦点化する対象や領域に変化をつけ,歴史を多元的・複眼的に構成していること,(2)小・中・高で現代社会理解の促し方に段階的な変化をつけ,現在・未来を生きる子どもの自立的な思考力を育成するように計画されていること,を明確にした。子どもの社会的なものの見方・考え方の深化・拡大を促すための示唆を引き出すことができた。 2.多元的な見方・考え方を育成する小・中・高一貫の歴史カリキュラムの類型化 これまでの分析を踏まえて,多元的な見方・考え方を育成する小・中・高一貫の歴史カリキュラムの類型化に着手している。次年度には形を整えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
類型化を本年度中に完了させる予定であったが,これまでに分析した個々の事例を再検討することに時間がかかったため,当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のように研究を進める予定である。第一に,多元的な見方・考え方を育成する小・中・高一貫の歴史カリキュラムの類型化を急ぐ。第二に,各類型の典型事例を詳細に分析し,カリキュラム・単元・授業の構成原理を明確にする。第三に,わが国の教育内容に応用したモデルを開発する。
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