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2011 Fiscal Year Annual Research Report

中学校数学の証明問題で中学生が「未完成な証明」を生み出す認知的・情緒的要因の解明

Research Project

Project/Area Number 22730700
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

牧野 智彦  宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10450157)

Keywords未完成な証明 / 認知的要因 / 情緒的要因 / 推論過程 / 中学校数学 / 架橋過程
Research Abstract

平成23年度の研究の成果は,次の通りである.第一に,Schoenfeld(1992)による「数学的認知を捉える枠組み」を調べ,「未完成な証明」を生成する中学生の要因の認知的側面を捉える視点として,「基になる知識」,「問題解決ストラテジー」,「モニタリングとコントロール」が明らかになった.この結果,要因の認知的側面を漠然と捉えるのではなく,各視点から分析する必要があることがわかった.
第二に,「基にある知識」の観点から,「未完成な証明」を生成する生徒でも,平行線の性質,三角形の合同条件,合同な図形の性質といった基本的な数学的知識を持っていた.一方で,そうした生徒は,例えば,平行であることから導かれる「性質」を導くことはできるが,平行になるための「条件」を見出せないというように,数学的概念の「性質」と「条件」の両方を調和的に把握できないことがわかった.このことが,証明のストラテジーである「後向きに推論する」を困難にする要因の可能性が高いということがわかった.
第三に,「問題解決ストラテジー」の観点から,「未完成な証明」を生成した中学生は,証明問題に成功的に解決した中学生とは違って,前提からの前向きに推論するだけで,結論から後向きに推論することに困難を持っていることがわかった.しかし,ある生徒が結論からの「後向き推論」ができるにもかかわらず,「未完成な証明」を生成したことから,「前向き推論」と「後向き推論」とを繋げる第三の推論が鍵となることがわかった.
第四に,証明過程における中学生の思考・推論の様相を調べる際に,カードを使うことが,「前向き推論」と「後向き推論」とを繋げられるかどうか,そこでの思考・推論の特質を見出すのに有効であることがわかった.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 中学校数学での証明の「架橋過程」における生徒の認知的困難2012

    • Author(s)
      牧野智彦
    • Journal Title

      日本科学教育学会研究会研究報告

      Volume: 26巻, Vol.5 Pages: 25-30

  • [Presentation] 中学校数学での証明の「架橋過程」における生徒の認知的困難2012

    • Author(s)
      牧野智彦
    • Organizer
      平成23年度第5回日本科学教育学会研究会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      2012-04-07
  • [Book] 新教職教育講座 第6巻 教科教育の理論と授業II 理数編2012

    • Author(s)
      大高泉, 清水美憲, 蒔苗直道, 高橋等, 小松孝太郎, 牧野智彦, 銀島文, 伊藤伸也, 辻宏子, 高橋聡, 郡司賀透, 内ノ倉真吾, 山下修一, 片平克弘, 稲田結美, 山本容子, 鈴木宏昭, 畑中敏伸
    • Total Pages
      310
    • Publisher
      協同出版

URL: 

Published: 2013-06-26  

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