2010 Fiscal Year Annual Research Report
海外との遠隔コミュニケーション実験を通した相互補完的情報デザイン教育と教材開発
Project/Area Number |
22730702
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
上平 崇仁 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (20339807)
|
Keywords | 情報デザイン / ビジュアルコミュニケーションデザイン / 異文化コミュニケーション / 学習コミュニティ / ソーシャルネットワーク / 教育工学 / インフォグラフィックス / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究は、非美術系高等教育や中等教育における情報デザイン教育で利用可能な耐久年度の長い教材の開発を狙うものである。特に基本的な原理に相当するコミュニケーションモデルを理解し、"違う立場において相互に意図を伝達しあう"ためのデザインの考え方に焦点を当て、そのための教材を検討することを目的とした。 コミュニケーションの学習は、人を介することで展開可能な「仕組み」を設計することが重要である。初年度の実践として,異文化の学生間で学びあいが起こることを狙ったオンラインコミュニティを組み込んだ学習モデルを提案した。これは視覚による世界共通言語としてのインフォグラフィックスの学習と、それを用いたコミュニケーションによって効果的なフィードバックを併せ持つ教育のあり方を探ったものである。そしてこのモデルに基づいてシステムを開発し、それを利用したワークショップを、日本の大学と米国の大学間で2回実施した。各自の制作した課題を元に言語の異なるユーザとして相互レビューを行い、その結果、多くの学習者が自分達では発見できなかった改善点を得ることができた。オンラインで課題をシェアすることは、交流の目的が明確になるが故に、活発な学習活動が行われ、良質なフィードバック装置として機能することを確認した。また事例の観察によって、1)情報の伝達方法についての俯瞰的視点、文化的特性、地域性・国際的に通じる機能性を区別することを学ぶ機会として極めて有用であるが、言語無しでは限界もあり、伝達のための適切な素材を見極めること、2)制作後の熱気を冷まさないうちの対話が不可欠であり、スケジューリングを慎重に検討すること、の2つの重要性が明らかになった。 今後はこれらの実践を元に、現場での活用や定着をはかる必要がある。ワークショップによる成果や知見を、デザインの知識として広く利用できるような手段を検討することが次の課題である。
|
Research Products
(1 results)