2011 Fiscal Year Annual Research Report
一貫性と継続性を確保するための独創的な防災教育カリキュラム・教材作成
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22730707
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
舩木 伸江 神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (50434915)
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Keywords | 防災教育 / 教科教育 / 教材 / 阪神・淡路大震災 / 地震災害 / 津波災害 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、小学校1年生から6年生の生徒が最低限学ぶ項目を組み込み、かつ、教科の時間に学ぶことができる「全国統一の防災教育のカリキュラム作成とそれに基づいた教材作成」を行うことである。平成23年度は、前年度から行ってきた全国の防災教育事例調査を補完する形で、東日本大震災を経験した宮城、岩手の学校における調査(被災時の調査、防災教育の効果検証など)、首都直下地震を見据えての東京の今後の災害に向けた取り組み、ジオパークの取り組みなどの情報収集を行った。特に、東日本大震災の被災地における調査においては、学校においてどのような実践が効果的であったか、今後の対応などについても、学校調査を行った。また、被災地における防災教育はどのようなことを行うべきかについても、特に岩手の小学校と学生交流を通じて、実践調査を継続中である。 また、東日本大震災を経験して、各教育委員会は新しい防災教育の副読本を検討、作成しているが、それらについても特に兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、東京都教育委員会の取り組みを調べ、情報収集を行い、副読本の内容比較・検討をしてきた。 以上のような調査を通じて、新しい学習指導要領に基づいた教科教育の学習内容と防災教育がどのようにリンクできるかについての詳細な検討を行ってきており、神戸市教育委員会の担当者や小学校の教員とも数回にわたる意見交換を行い、小学校における防災教育のカリキュラム案のベースを作成した。また、阪神・淡路大震災の直接経験を持つ方の話をもとに教材を作成し、小学校で試作的に教員に実践してもらい、教材の指導案を作成している。 今後は、教材の内容精査、実践を通じて現場の教員にとってどのような形でカリキュラムや教材を提供すべきかについて、小学校教員、教育委員会の担当者の監修を受け、最終的なカリキュラム作成を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国の防災教育の事例は現地調査等でおおむね情報収集でき、学校教育の教科学習と防災教育の関連性についても文部科学省や教育委員会が作成する資料、担当者との意見交換、学習指導要領や教科書の分析などから重要な情報を得てきた。最終年度である今年度は、防災教育カリキュラム・教材を完成させることであるが、いくつかの教材はすでに完成し、小学校での実践、評価も得ている。このまま研究を継続することで、本研究の最終達成目標である防災教育カリキュラム・教材を完成する目途が経っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度行う、教科学習の時間で学べる防災教育カリキュラムの検討については、前年度に行った小学校の学習指導要領と教科書の内容と防災教育の関連の検討結果をもとに、小学校の各学年の教科で学ぶ防災教育カリキュラム・教材を作成する。その際に、ただ、プログラムを並べ替えるだけでなく、より効果的な学習の組み合わせについても検討していく。そして防災教育カリキュラム・教材を作成し、おもに兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、及び現役小学校教員の協力を得て改訂を行い、最終案を完成品とする。兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会とも定期的に情報交換を行っており、現場教員の協力も継続的に得られている。
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