2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 由紀子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30505649)
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Keywords | 弦理論 / ミラー対称性 / トーリック多様体 |
Research Abstract |
2次元反射的多面体△が与えられたとき一方では△の面扇からトーリック曲面が定まり,他方では△をニュートン多面体にもつローラン多項式のゼロ点として(2次元複素トーラス内の)代数曲線の族が定まる.局所ミラー対称性は前者(A模型側)の局所グロモフ・ウィッテン不変量と後者(B模型側)の相対コホモロジーの混合ホッジ構造が,ΔでGKZ超幾何系と呼ばれる偏微分方程式系を介して関係しているという主張である. 1.B模型側の代数曲線族について 底空間の次元が低い場合の例(射影曲面P2,ヒルツェブルフ曲面F0,F1,F2のミラー曲線族の場合)で退化の様子を具体的に調べた。ミラー曲線族の底空間はGIT商によって構成され,2次扇と呼ばれる扇で定まるトーリック多様体である.複素射影曲面のミラー曲線族の場合には底空間は一次元で射影曲線である.そしてそのうちの3点で曲線が退化することはよく知られている.ヒルツェブルフ曲面F0,F1,F2のミラー曲線族の場合には底空間は2次元であり,2次扇を計算するとそれぞれ射影曲面と重みつき射影曲面の一点ブローアップであることが分かった.これらの底空間内の曲線族が退化するdiscriminant lociにおいて曲線の退化を調べると,通常二重点以外にカスプなども現れることが分かった. 2.フロベニウス多様体の構造(平坦構造)について 複素射影曲面のコホモロジー環とミラー曲線族の相対コホモロジーの混合ホッジ構造における平坦構造を考察した.しかしまだ完全な結果は得られていない.また他の例についてはまだである.
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