2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 由紀子 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30505649)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 代数幾何 / 弦理論 / ミラー対称性 / フロベニウス構造 |
Research Abstract |
多様体のフロベニウス構造とはその接ベクトル束のフロベニウス代数の構造とオイラーベクトル場と呼ばれるベクトル場の組である条件を満たすものである。有名な例としては射影多様体の量子コホモロジー環や特異点の変形理論がある。ミラー対称性においてはA側(量子コホモロジー)とB側(BrannikovとKontsevichによるフロベニウス構造)が一致すると言われている。本研究の目標のひとつは局所ミラー対称性においてA側とB側のフロベニウス構造を求め、それらが一致することを示すことである。昨年度はフロベニウス代数とフロベニウス構造を一般化した、フロベニウス・フィルトレーションと混合フロベニウス構造を定義した。 今年度は、幕零元を持つフロベニウス代数からフロベニウス・フィルトレーションを構成する方法、また幕零ベクトル場をもつフロベニウス構造から混合フロベニウス構造を構成する方法を求めた。また、これらの構成法をある量子コホモロジーフロベニウス構造に応用して、局所A模型における混合フロベニウス構造を一つ求めた。これは次の理由で欲しかったものになっていると考えている:ひとつめの理由は、得られた積構造はカップ積を局所グロモフ・ウィッテン不変量で変形したものになっており、量子コホモロジーのアナロジーになっていることである。二つめの理由はここで得られたフィルトレーションが、局所B模型側の混合ホッジ構造のウェイトフィルトレーションと一致することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
求めていた局所A模型側の混合フロベニウス構造が分かったので、計画どおり順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はバラニコフ・コンセビッチのB模型側のフロベニウス構造の構成を参考にして、局所B模型側の混合フロベニウス構造を求めることが目標である。それができれば混合ホッジ構造との関係やA側との対応も調べたい。
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