2011 Fiscal Year Annual Research Report
代数曲線上の線形系の研究と一般型代数多様体への応用
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22740016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春井 岳 大阪大学, 理学研究科, 招へい研究員 (00437336)
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Keywords | 代数曲線 / 線型系 / ゴナリティ |
Research Abstract |
1 前年度に引き続き,代数曲面上の線形系の中で,不変量が異なる代数曲線が共存する場合について大渕朗,加藤崇雄両氏と共同研究を行った.主にゴナリティについて考察し,超楕円曲線と非超楕円曲線をともに含む線形系について詳しく研究した.今回の研究では,与えられた配置の特異点をもつ平面曲線の非特異モデルとして超楕円曲線とトリゴナル曲線(ゴナリティ3の曲線)がともに現れる場合について考察した.よく知られている曲面上の曲線についてはある程度ゴナリティが決定されているが,線形系の中でゴナリティが不変かどうかについてはまだほとんど知られておらず,曲線論やそれを応用した曲面の研究において重要になると思われる. 2 代数曲線から射影空間の中への双有理写像や埋め込みの最小次数について研究した.これらはゴナリティやクリフォード指数ほど研究が進んでいない不変量である.まず種数の小さい曲線の二重被覆についてこれらの不変量を決定した.また,ほとんどすべての種数について,二つの不変量が一致しない曲線が存在することを示し,具体的な例を構成した.このような曲線はこれまで双楕円曲線(楕円曲線の二重被覆)しか知られていなかったが,今回構成した曲線はまったく異なる性質の曲線である. 3 平面4次曲線の二重被覆のワイエルシュトラス半群として現れる数値的半群について米田二良氏と共同で研究し,部分的な結果を得た.特に多くの場合について,平面4次曲線の幾何的な性質を利用して具体的な二重被覆の曲線を構成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで培った多くの技法が効果的に使えたこと.また,国内外の研究者と活発に交流し,有効な議論ができたこと.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き曲面上の曲線や線形系について深く考察していきたい.また,その結果をもとに曲面や曲線束,高次元の代数多様体を調べることも視野に入れている.
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Research Products
(2 results)