2012 Fiscal Year Annual Research Report
可換代数的手法による多様体の三角形分割の面の数え上げの研究
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22740018
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村井 聡 山口大学, 理工学研究科, 講師 (90570804)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | f-列 / 単体的セル複体 / 三角形分割 / 凸多面体 |
Research Abstract |
単体的複体や単体的セル複体の面の個数の研究は、数え上げ組合せ論における主要な研究課題の一つである。本研究の目的は多様体の三角形分割や単体的セル分割の面の個数を研究することである。特に、本年度は球体の単体的セル分割の面の個数に関する研究と凸多面体の三角形分割の面の個数に関する研究を行った。 球体の単体的セル分割の面の個数に関する研究における重要な問題の一つに、そのf-列の必要十分条件を与えるという問題がある。この問題はKolinsによって最初に研究され、2011年に6次元以下の球体に関してその単体的セル分割のf-列の必要十分条件が得られていた。本年度の研究では、このKolinsの結果を一般化し、任意の次元の球体についてそのf-列の必要十分条件を与える、という結果を得た。本研究結果は、境界を持つ多様体が与えられた時、その単体的セル分割のf-列の必要十分条件を与える事ができるか、という問題に関する最初の一般的なな結果であり、今後のこのテーマにおける研究に大きな影響を与えることが期待される。 また、凸多面体の三角形分割に関し、次のような研究成果を得た。1971年にMcMullenとWalkupはd次元単体的凸多面体をr次元の面を新しく導入せずに三角形分割する事が出来るかどうかは、rがdの半分より小さい時は凸多面体のf-列にのみ依存するという予想を提唱した。この予想は一般化された下限予想と呼ばれ、凸多面体の面の個数の研究における懸案の課題の一つであった。今年度の研究で、代数的な立場からこの予想を研究することにより、一般化された下限予想を肯定的に解決する事に成功した。本研究結果は凸多面体論において40年間未解決であった問題を解決したものであり、凸多面体の面の個数の研究に重要な進展を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)