2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740020
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安田 健彦 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (30507166)
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Keywords | F爆発 / フロベニウス射 / 非可換特異点解消 |
Research Abstract |
今年度の研究は二つに分けられる。 (1)2次元正規特異点のF爆発の研究(東北大学の原伸生、澤田宰一両氏との共同研究): 最近の原氏の結果により、2次元F正則特異点のF爆発は最小特異点解消になることが分かった。そこで、より悪い特異点の場合にどうなるかを調べた。その結果、有理2重点と単純楕円特異点の場合に、いつF爆発が最小特異点解消になるかが大体分かった。有理2重点の研究では、加群のフロベニウス射による押し出し(Push-forward)の計算と加群の爆発の計算が鍵となったが、その計算を行うプログラムを書いた。これらのプログラムは、本研究以外にも有用だろう。本研究により、F爆発は一般にはあまり良い振る舞いをしないことが分かった。F爆発が有効な範囲を理解し、高次元に一般化するための良い準備となった点においても有意義だった。 (2)非可換特異点解消とフロベニウス射の研究: 非可換環がいつ非特異、つまり非可換特異点解消と呼ばれるものになるかについて研究した。非特異性には複数の概念があるが、この研究では大域次元の有限性とフロベニウス射の平坦性を扱った。この研究で、二つの非特異性の間の関係が分かってきた。特に、可換環の場合と違い、二つの概念は必ずしも一致しないことが分かった。また、ある種の環の純拡大に付随する自已準同型環は有限大域次元を持つことを証明した。また、以前定義いた非可換フロベニウス射が、どのような性質を満たすときに大域次元の有限性が導かれるかを明ちかにし、とくに歪群環(skew group ring>の場合に詳しく調べた。
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Research Products
(3 results)