2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22740020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 健彦 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30507166)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マッカイ対応 / 野生的商特異点 / モチーフ積分 / 悲観特異点解消 |
Research Abstract |
モチーフ積分の野生的Deligne-Mumfordスタックへの一般化について以下のような進展があった。まず、基礎体の標数がpの場合に、位数p巡回群の任意の線形表現に付随するDeligne-Mumfordスタック上でモチーフ積分の理論を構築した。その応用として、位数p巡回群に対するマッカイ対応を証明し、付随する商特異点の弦理論的不変量を明示的に計算することに成功した。また、クレパント特異点解消が存在すれば、そのl進Euler標数はpになることを証明した。また、一般の群、一般のスタックに対し、モチーフ積分がどのように一般化されるかについて、予想をたてた。その応用として、一般の有限群にたいする野生的マッカイ対応予想を定式化した。それにより、野生的商特異点の弦理論的不変量と、数論的な局所体の数え上げ問題を結びつけた。 また、非可換クレパント特異点解消をもつ特異点の性質について、StaffordとVan den Berghによる結果が知られていたが、Colin Ingalls氏との共同研究でそれを少し改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の計画当初は予想していなかった、特異点の不変量が整数論的数え上げで得られるという新しい知見を得るに至った。さらに、位数p巡回群の場合には任意次元でこれを証明し、一般の有限群の場合にも道筋を付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
一般の有限群に対する野生的マッカイ対応の予想を、様々な具体的な状況で検証していく予定だ。また、可能なら予想を証明したい。そのために、モチーフ積分の変数変換公式に現れる重み関数と数論的不変量の関連を調べる。そして、局所体の拡大のモジュライ空間を構成し、その上での重み関数の振る舞いを調べる。その一方で、野生的商特異点の特異点解消を具体的に、コンピューターを用いるなどして計算し、幾何的計算と数論的計算のつじつまが合うことを検証していきたい。
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Research Products
(9 results)