2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市野 篤史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40347480)
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Keywords | 形式次数 / テータ対応 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、今年度もWee Teck Gan氏(UCSD)との共同研究において、形式次数予想とテータ対応の研究を行った。形式次数予想とは、平賀郁氏(京都大)、池田保氏(京都大)との共同研究において定式化された、局所体上の簡約代数群の離散系列表現の形式次数を、随伴ガンマ因子の特殊値で表す予想である。この予想は、多くの実例によって支持されているものの、古典群の場合には証明されていない。一方、テータ対応は関手性を実現すると期待されているが、調和解析の視点からの研究は十分に行われているとは言い難かった。形式次数は調和解析における重要な研究対象であり、本共同研究ではテータ対応における形式次数の挙動を調べ、これが形式次数予想から予期されるものと一致することを証明した。より正確には、テータ対応で対応する離散系列表現の形式次数の比を、解析的に定義された標準ガンマ因子の特殊値を用いて表す公式を、階数が等しい場合には完全に証明し、階数が異なる場合はある種の仮定の下で定数倍を除いて証明した。形式次数は局所的な対象であり、大域的な類似を持たないため、証明も局所的にならざるを得ない。大域テータ対応におけるRallis内積公式の証明を雛形とし、明示的局所テータ対応、局所Siegel-Weil公式の理論を新たに構築し、これらを用いて定数倍の不定性を持つ公式を証明した。一般に公式に現れる比例定数を計算することは困難であることが分かったが、階数が等しい場合には、公式を直接証明できるような表現を具体的に構成し、比例定数を同定することに成功した。特に、今まで未知であった、公式に現れる1の冪根を同定した。これら結果について、理論や証明の整備、簡略化を行い、現在論文を執筆中である。
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Research Products
(1 results)