2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740022
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉山 和成 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (90375395)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 概均質ベクトル空間 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
今年度は、放物型概均質ベクトル空間の理論を実解析的保型形式の研究への応用を考察した。放物型概均質ベクトル空間は、対称空間の境界にあたるものと考えられる。そこで、保型形式の「境界値」にあたるものが、放物型概均質ベクトル空間の上に定義できるが、これは「保型超関数」と呼ばれるものになる。(概均質ベクトル空間の保型超関数の理論は、対称行列の空間の場合に、鈴木利明氏により研究された。)保型超関数は、フーリエ展開を持ち、離散群の作用に対しある種の不変性をみたす。その不変性を利用すると、保型超関数のフーリエ係数から構成されるエル関数が関数等式をみたすことが証明できる。以上が鈴木氏の結果であるが、一方で、概均質ベクトル空間の理論を用いると、関数等式をみたすゼータ関数が構成できる。本研究では、このゼータ関数を逆メラン変換することにより保型超関数を逆に構成すること、および、その保型超関数のポアソン変換像の研究を目標とした。ポアソン変換を用いると、境界値から対称空間上の関数が定まるので、この研究により実解析的保型形式が構成できることが期待される。本年度は、最も基本的な1次元の概均質ベクトル空間の場合について以上のプログラムを実行した。その結果、保型超関数のエル関数がみたす関数等式が、マース波動形式のエル関数がみたす関数等式と一致することが確認された。そこで、1次元の概均質ベクトル空間上に定義された保型超関数からマース波動形式を構成する道筋ができた。以上の結果について、2012年9月に城西大学で開かれた研究集会において、概要を講演した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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