2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740026
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大関 一秀 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (70445849)
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Keywords | 代数学 / 可換環論 / ヒルベルト函数 |
Research Abstract |
可換なNoether局所環(A,m)内のm-準素イデアルIについて,そのヒルベルト函数にはイデアルIのみならず,基礎環Aの構造も多く含まれていると考えられている。本研究の目的は,ヒルベルト函数の挙動を指標に,与えられた局所環内にm-準素イデアルが如何に多様に含まれているかを解析しながら,局所環の可換環論を展開するものである。 平成22年度は,主に2つの課題『(課題1)Noether局所環内に於ける巴系イデアルのヒルベルト函数の挙動解析』,『(課題2)non-Cohen-Macaulay局所環内に於けるSally加群の構造解析』を掲げながら研究活動に従事し,成果を挙げた。 (課題1)では,Noether局所環内の巴系イデアルを対象に,「第1ヒルベルト係数を用いた基礎環の構造の分類」,「ヒルベルト係数の挙動の有限性」,「ホモロジカル次数との関係解明」に取り組んだ。得られた成果については,平成22年9.月に開催された,日本数学会秋季総合分科会や第43回環論及び表現論シンポジウム,12月に開催されたThe 32^<nd>Symposium and The 6^<th> Japan-Vietnam Joint Seminar on Commutative Algebraにて口頭発表を行った。 平成22年5月から約三ヶ月間,ジェノバ大学(イタリア)を訪問し,M.E.Rossi教授との情報交換を行いながら(課題2)に取り組んだ。その中で,non-Cohen-Macaulay局所環内に於けるSally加群の構造論を用いて,Elias-Vallaの等式と随伴次数環のBuchsbaum性に関する新たな特徴づけを得ることに成功した。この(課題2)での研究成果については,平成23年3月の日本数学会2011年度年会にて口頭発表を行った。その他の口頭発表及び発表論文等は,別ページの通りである。
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Research Products
(14 results)