2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740027
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
早坂 太 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科理系, 講師 (20409460)
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Keywords | 局所環 / 巴系加群 / ブックスバウム・リム重複度 / 多重次数付き環 / Koszul複体 |
Research Abstract |
局所環内の巴系イデアルの重複度とcolengthの差と基礎環の環構造との間には深い関係があることが知られている。本研究では、Buchsbaum-Rimによって導入された(イデアルの重複度の一般化である)加群の重複度の基礎理論構築を目的に、イデアルの場合の類似として巴系加群の重複度とcolengthの間の差に関する研究を行った。本年度取り組んだ主な具体的課題とその成果は次の通りである。 1.Cohen-Macaulay局所環の一般化であるBuchsbaum局所環の上の巴系加群の重複度とcolengthの差に関する研究を行った。基礎環のCohen-Macaulay性は、重複度とcolengthの差が0である巴系加群の存在で特徴付けられる。イデアルの場合の類似として、Buchsbaum局所環上では、この差は階数ごとに一定ではないかと予想される。本研究では、Cohen-Macaulay性の証明において重要な役割を果たしていた巴系加群に付随する一般化されたKoszul複体に着目し、その体系的な研究を行った。基礎環が1次元で巴系加群が特殊な場合について一定の成果を得た。 2.標準的な次数付けとは限らない多重次数付き環(加群)の斉次成分のgradeの漸近挙動に関する研究を行った。Koszul複体を用いた簡明な証明法で、斉次成会のgradeは、あるcone内において周期的な挙動を示すことを証明した。この結果は、これまでのgradeの漸近拳動に関する結果を含む一般的なものである。
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