2010 Fiscal Year Annual Research Report
強可視的作用の立場からの非対称な球多様体の幾何構造の研究
Project/Area Number |
22740029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹木 集夢 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (60514453)
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Keywords | 表現論 / 複素多様体 / 球等質空間 / 可視的作用 / スライス |
Research Abstract |
本研究は,非対称な複素等質空間における可視的作用の分類理論の研究を目標とする.本年度はこの設定において可視的作用の例を発見すること,特に各軌道と交叉する部分多様体(スライス)の具体的記述を通してその性質を調べ,構造論を構築することを目指した.等質空間が簡約な場合は以下の研究結果を得た.まず,非管状型エルミート対称空間を底空間とする直線束における可視的作用の研究結果をまとめた論文がGeom.Dedicata出版された.また,前述とは性質の異なる可視的作用の例を2つ得ることができ,1つはJ.Math.Univ.Tokyoに出版され,もう1つはAdv.Pure Appl.Math.に掲載されることが決定された(オンラインでは既に出版済み).前述の例のいくつかについて,新しい視点による統一的説明を与えることについては検討中である.次に,等質空間が簡約ではない場合として複素半単純リー環の冪零軌道を扱い,冪零軌道が可視的作用をもつこととそれがsphericalであることが同値であることを証明した.必要条件の証明ではモーメント写像による可視的作用の誘導定理が重要な役割を果たす.冪零軌道はベクトル束の像として実現され,ファイバーにおける線型作用が可視的かどうかの判定によって分類を与えることができる.線型な可視的作用の研究は既に研究代表者によって解決されており,この結果を利用することで本結果が得られた.本結果は,表現論シンポジウムやドイツのOberwolfach,オランダのLorentz Centerで開催された研究集会で報告した.
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Research Products
(12 results)