2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺嶋 郁二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70361764)
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Keywords | 特性類 / K群 / 微分形式 / ホモロジー |
Research Abstract |
ねじれK理論は最近ストリング理論との関係で多いに注目されている.その理由の一つはB場がある場合にDブレーンの電荷がねじれK理論に値を持つことがある.したがって,ねじれK理論の特性類を構成することは大事であり,実際にAtiyah-Segal,Freed-Hopkins-Teleman,Carey-Mathai-Murray-Stevensenらの各グループにより様々なアプローチが提出された.しかしながら,これらの方法はすべて無限次元のヒルベルト束のような無限次元的な対象を使わずにはできず,通常のK理論の場合と同様な有限次元の対象のみを用いた構成が待ち望まれていた.研究代表者と五味清紀氏(京都大学)はM.Furutaによって導入された有限次元近似のアイデアを用いて,有限次元の構成に成功した.この成果は Kiyonori Gomi, Yuji Terashima, Chern-Weil construction for twisted K-theory. Comm. Math. Phys. 299(2010), no.1,225-254. として雑誌で発表された.この方法の利点の一つはコホモロジー類のレベルではなく微分形式のレベルで特性類が得られることにある.したがって,ねじれK理論におけるChern-Weil理論を確立した初めての結果だということができる.通常のK理論において,Chern-Weil理論は二次特性類の出発点の一つと考えられる.なぜなら,一つの特性類を多様体の精緻な情報に応じて異なる二つの微分形式であらわしたときのずれが二次特性類を与えるからである.したがって,われわれの結果はねじれK理論における二次特性類の出発点を与えた.
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Research Products
(1 results)