2010 Fiscal Year Annual Research Report
自明な結び目を識別する結び目不変量の表現論的構造解析
Project/Area Number |
22740048
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
長郷 文和 名城大学, 理工学部, 助教 (30513634)
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Keywords | 結び目群 / SL_2(C)表現 / character variety / partial order / Chebyshev polynomial |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き,結び目群の表現を用いた『結び目のpartial order』について研究を行った.『結び目のpartial order』は創価大学の北野晃朗氏と秋田大学の鈴木正明氏,また欧米の多くの研究者によって活発に研究されており,研究代表者の研究テーマの1つであるcharacter varietyとの深い関わりのあることがわかっている,非常に興味深い研究対象である. 本年度の主な研究成果として,まず,あるタイプのツイスト結び目が極小元であることを決定付けた昨年度末の結果を更に拡張することができた.これは,代表者の以前の研究における,ツイスト結び目に対するcharacter varietyの定義多項式のChebyshev polynomial表示から得られるものである.この研究成果を『International Conference Japan-Mexlco on Topology and its Applications』において発表することができた.また,同研究集会参加者であった,UNAM,MexicoのFrancisco Gonzalez-Acuna氏と,結び目群の全射準同型の存在性について活発に議論することができた.特にAlexander多項式に関しての貴重なコメントを頂けたことは非常に有益であった.また,同参加者である日本大学の茂手木公彦氏からは,サテライト結び目に対する表現についてのコメントを頂き,同大学の市原一裕氏には,この研究課題に関する周辺の興味深い結果を紹介して頂いた.こういったことからも伺える様に,国際研究集会での講演は,研究成果の今後の展開を考えると,非常に有意義であったということができる. また,上記研究の過程で用いた M.Boileau,S.Boyer,A.W.Reid,S.Wangの結果の証明について,より直接的な別証明を与えることができた.
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