2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22740052
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鳥巣 伊知郎 産業医科大学, 医学部, 准教授 (50323134)
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Keywords | 2橋結び目 / 強自明性 / N-隣接性 / デーン手術 / レンズ空間 |
Research Abstract |
本年度の研究上の成果は以下である。 3次元球面内に埋め込まれた結び目の強自明性およびN-隣接性についての研究を行い、特に2つの結び目が2-隣接になるが3-隣接にならない新しい条件を見つけることができた。具体的には、2つの2橋結び目の間の2-隣接性と3-隣接性を詳しく調べ、結び目理論で古典的に知られている結び目のデターミナントという不変量が障害の1つになることをつきとめた。成分数が2である2橋絡み目に対しても同様の考察を行い、結び目同士の隣接性の場合とほぼ同じ現象が成り立つことがわかった。3次元球面内の結び目で分岐する2重分岐被覆空間を3-隣接の関係にある2つの結び目に対して構成することにより2つの閉じた向き付け可能な3次元多様体が得られる。その2つの3次元多様体が、お互いにその中の成分数が3の絡み目に沿ったデーン手術により得られることができるかどうかを決ぬることが証明の要点となる。2橋結び目や2橋絡み目に沿った2重分岐被覆空間はどちらもレンズ空間であるので、レンズ空間内の絡み目理論を展開する必要があった。実際にレンズ空間を2つのソリッドトーラスに分解して、ある絡み目が片方のソリッドトーラスからもう一方のソリッドトーラスへと境界の2次元トーラスを経由して移ったときに、その絡み目がどのように変形するかを詳しく調べた。引き続きこの手法で調べることで、2橋結び目と2橋絡み目の場合のN-隣接性を決定することが期待できる。
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