2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22740052
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鳥巣 伊知郎 産業医科大学, 医学部, 准教授 (50323134)
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Keywords | 2橋結び目 / 強自明性 / N-隣接性 / デーン手術 / レンズ空間 |
Research Abstract |
本年度の研究上の成果は以下である。 3次元球面内に埋め込まれた結び目および絡み目は2重分岐被覆空間がレンズ空間になる場合にそれぞれ2橋結び目および2橋絡み目と呼ばれる。また2つの結び目や絡み目がN-隣接の関係にあるとは、片方のあるダイアグラムとその中に部分的に含まれるN+1個の交差点が存在してそれらの空でない部分集合で一斉に交差変換を行った結果が全ての場合に他方を表わすダイアグラムになることをいう。デーン手術理論を用いることにより、2橋結び目と2橋絡み目の場合には3-隣接性について完全に決定することができた。ヌガトリ交差により自分自身とN-隣接であることを自明なN-隣接性ということにすると、2つの2橋結び目と2橋絡み目が3-隣接であればそれは自明な場合に限るというのが主定理でなる。3-隣接性に関する具体的な結果はこれまでほとんど無い状況であり、かつN-隣接性の研究がヴァシリエフ不変量への切り貼りの議論により幾何的なアプローチとして登場してきたことを考えると、この定理はとても意義があるといえる。この定理をモンテシノス結び目およびモンテシノス絡み目の場合に拡張しようとすれば、証明においてレンズ空間手術からザイフェルト空間手術へとより複雑で難度の高い3次元多様体の理論を用いなければならない。今のところは証明に必要なザイフェルト空間手術の結果が不足しているのでただちに応用できるところまでは至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ザイフェルト手術の理論がレンズ空間手術の理論より難度が高いため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の国内外のザイフェルト手術の理論の進展を見ながら、交差変換の研究における対策を考える。
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