2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22740052
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鳥巣 伊知郎 産業医科大学, 医学部, 准教授 (50323134)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 2橋結び目 / モンテシノス結び目 / ザイフェルト多様体 / N-隣接性 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下である。 1つの有理タングルを閉じて得られる結び目が2橋結び目の通常の定義である。そして、2橋結び目は有理タングル2個を連結して得られる結び目と同値であることもよく知られている。同様の操作において、有理タングルを3個以上連結させてできる結び目はモンテシノス結び目と呼ばれる。モンテシノス結び目と2橋結び目の間の2-隣接性を詳しく調べた。その結果、2-隣接性の行き先である2橋結び目が自明な結び目の場合とほぼ同じ現象を示すことがわかった。有理タングルの標準的なダイアグラムの上での交差変換に限った場合は初等的な整数論の議論によりそれらの2-隣接性が決定できた。さらに、2つの結び目の間の3-隣接性についてそれぞれの2重分岐被覆空間である閉じた3次元多様体のCasson-Waker 不変量を考察した。特に、ザイフェルト多様体の場合には3-隣接性の条件から多様体の枠付き絡み目による具体的な表示が得られる。Lescopの公式と比較しながら不変量の値を調べた。N-隣接性や強N-自明性を3次元球体とその中にプロパーに埋め込まれた弧の対であるタングルに制限して考えることも意義が大きいと思われる。結び目で既に得られている結果を使いながらこれを調べた。 2012年11月には埼玉大学で「結び目の nugatory crossing problem と n-adjacency について」という題で集中講義を行い、上記の結果の解説も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
整数論を用いた有理タングルの解析に進展が見られたので。
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Strategy for Future Research Activity |
タングルの間のN-隣接性の研究はほとんどないのでこれを行う。
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