2011 Fiscal Year Annual Research Report
半正定値計画問題に対する高精度計算アルゴリズムの開発
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22740056
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
脇 隼人 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (00567597)
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Keywords | 多項式最適化問題 / 面的縮小法 / 半正定値計画緩和 / 対称錐上の線形最適化問題 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
次の3点について重点的に研究を行った. [1]制約式を持つ多項式最適化問題から得られる二乗和多項式問題に対して,ロバストな面的縮小法を提案した.また,数値実験を行いその有効性を確認した.これにより,二乗和多項式問題に対する面的縮小法は確立したことになる.(電気通信大学村松教授との共同研究) [2]Doubly Non-Negative optimizationに対するロバストな面的縮小法を提案した.数値実験を行ったところ,得られる解の精度が少し改善される程度であった.これは提案手法が不完全であることに起因する.この不完全な部分の対応が今後の課題である.(東京工業大学中田准教授,田中さんとの共同研究) [3]Lasserreの半正定値計画緩和を最適化のアプローチから理解することで,より小さい緩和問題を構成する手法を提案した.考えたが非常にシンプルで疎性を持つ場合や対称錐上の多項式最適化問題への拡張も容易にできた.また,数値実験でもその有効性が実証できた.(電気通信大学村松教授,Waterloo大学Tuncel教授との共同研究) また,多項式最適化問題を解くソフトウェアSparsePOPの開発も継続している.特に,組合せ最適化問題に生じる構造を利用することで,得られる半正定値計画緩和問題を小さくできる手法を組み合わせた.さらに,東京工業大学山下助教と共同でwindows binaryを作成し配布している.これにより,windows上でも容易にSparsePOPを実行できるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制約式を持つ多項式最適化問題から得られる二乗和多項式問題に対するロバストな面的縮小法を提案することができた.これにより,二乗和多項式問題に対する面的縮小法が確立されたため.
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Strategy for Future Research Activity |
双線形行列不等式問題等は,制約式を持つ多項式最適化問題から得られる二乗和多項式問題に対するロバストな面的縮小法が有効であることが予想される.今後は数値実験をする予定である.また,モーメント問題から得られる半正定値計画緩和問題においても,面的縮小法に有用な構造を持っている場合が多い.こういった場合のロバストな面的縮小法を提案する予定である.
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