2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740057
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
関口 良行 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教 (50434890)
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Keywords | 変分解析 / 関数解析 / 最適化問題 |
Research Abstract |
多項式最適化問題は,連続最適化問題に加えて離散最適化問題においても自然に現れる重要な問題である.また,十分広い適用範囲を持つと同時に,大域最適解を求めるアルゴルズムが,モーメント理論と実代数幾何を用いて構築できる.しかし,そのアルゴリズムの構造とともに多項式最適化問題そのものの性質も十分明らかにされているとは言いがたい. 今年度は以下の研究を行った. 1.多項式最適化問題の大域最適解を求めるアルゴリズは,半正定値計画問題の列を生成する.このことからごく最近になって,半正定値計画問題そのものに対する代数幾何的な研究が注目されており興味深い研究成果が報告されている.本研究では多項式最適化問題の元問題の性質が生成された半正定値計画問題にどのように影響するか研究し,制約式から生成されるイデアルの実性が半正定値計画問題の強双対性と関係があることを示し,現在論文を投稿中である. 2.多項式最適化問題に本質的に備わっている凸性についての研究と変分解析との関係性についての研究を行った.多項式最適化問題における凸性は,解析的にはモーメント理論を通じて関数解析と関係を持つ.一方,代数的には二乗和多項式や双対多様体などを通じて実代数幾何とより直接的に結びついている.また,連続最適化問題としての多項式最適化問題とグレブナー基底との関係が深いことは自然に予想されることだが,それらの関係性についての先行研究はあまりなく,本研究において調査を進めている段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初考えていた課題の問題設定に間違いが見つかったため研究が遅れた.一方で,多項式最適化問題に関して海外研究者から多くの新しい成果が凸代数幾何と呼ばれる新しい分野として体系化されつつあり,それらについての情報収集,研究を急速に進めている.特に,凸代数幾何の成果を取り入れるためJST CRESTグレブナー神戸スクールに参加した.
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Strategy for Future Research Activity |
多項式最適化問題の研究を進めるにあたって,ごく最近凸代数幾何と言う分野が新たに生まれつつある.最適化問題にとって凸性は自然な概念であり,凸代数幾何の成果は多項式最適化問題の研究を進めるにあたって,無視できない.凸代数幾何の成果を研究に取り入れるため情報収集を計画よりも積極的に行う.
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