2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村川 秀樹 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教 (40432116)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形拡散問題 / 退化放物型問題 / 交差拡散系 / 反応拡散系近似 / 急速反応極限 / 数値解析 / 自由境界問題 / 3重結節点 |
Research Abstract |
本研究では、応用を見据えた理論の構築を目的とし、反応拡散系近似理論の細部に踏み込んだ解析からその応用まで、多岐にわたった研究を行った。平成24年度は特に、前年度までに構築した理論を元に、その応用についての研究を行った。 反応拡散系近似理論の応用として本研究初年度に提案した、非線形交差拡散系に対する汎用的で実装が容易な線形数値解法についての解析を行った。提案した線形解法と実装が煩雑な非線形解法の双方の誤差評価を行うことにより、2つの解法の比較を行った。どちらの解法でも収束率は同じで、更に、この収束率は最適なものであることが分かった。このことは提案した線形数値解法が有用なものであることを示している。交差拡散系の数値解法に関する誤差評価の解析的結果はこれまでに無く、本研究の成果は重要なものである。また、空間離散化に有限体積法を用いた全離散数値スキームについて研究し、収束性に関する解析的な結果を得た。 非線形拡散問題の解析の応用として、細胞集団の挙動についてのモデリング及び解析を行った。細胞集団の時空間の振る舞いを考察するために、細胞の大きさ、細胞分裂、2つの状態とその転換、接触阻害、栄養状態などを考慮して複数成分複数項から成る数理モデルを提案した。これは解析の対象としては複雑すぎる方程式系であるが、本研究で培った知識を動員し、問題の簡略化を行った。非線形拡散と非局所反応の2項から成る簡略化した方程式を導出し、その解析を行った。解析や数値実験を用いた考察の結果、多くの要因が細胞集団の振る舞いに関連しているが、細胞の増大率と栄養状態の関係が特に大きな役割を果たしていることが予測され、細胞は周りの密度や環境に敏感に反応していることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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