2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤沢 潤 慶應義塾大学, 商学部, 専任講師 (00516099)
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Keywords | グラフ / 閉路問題 / 禁止部分グラフ / 位相幾何学的グラフ理論 / MatthewsとSumnerの予想 / 国際情報交換 / アメリカ / ニュージーランド |
Research Abstract |
今年度は様々な研究成果が得られたため、それぞれの内容について以下に簡潔に記す。1.2部グラフにおける長いサイクルの存在に関して、Jacksonによる最小次数を用いた最長サイクルの長さを保証する定理を改良し、非隣接2頂点の次数和を用いた定理が得られた。2.k-連結F-freeグラフ(G_k(F)と書く)の集合が有限となるようなグラフの集合Fについて調べ、任意のk≧2に対し|F|=1、2の時にG_k(F)が有限となるための必要十分条件を得た。また、|F|=2の場合にG_2(F)からG_6(F)までのそれぞれが、|F|=3の場合にG_2(F)が有限となるようなFをそれぞれ決定した。3.3-連結ライングラフがハミルトンサイクルを持つために必要な禁止部分グラフの条件について調べ、任意の3-連結B_<s,9-s>-freeライングラフがハミルトンサイクルを持つことを示した。これは3-連結K_<1,3>-フリーグラフがハミルトンサイクルを持つために必要な禁止部分グラフの完全決定に大きく寄与するものである。4.頂点数が2m+2以上の偶数であるグラフGにおいて「m本からなる辺の集合Mで、どの2辺も距離がd以上離れているようなもの」をどのように選んでもMを含むような完全マッチングが存在する時、Gはdistance d m-extendableであると言う。AldredとPlummerは、平面上・射影平面上の5-連結三角形分割は任意のmに対してdistance 5 m-extendableであることを示したが、本研究では同様の事実がトーラス上の三角形分割において成り立つことが示された。以上のように、今年度の研究では多方面にわたる様々な研究成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度・本年度の「研究実績の概要」で述べたように、本研究によって多くの研究成果が得られている。その中で、正則グラフの持つ基本的な性質が解明されつつあり、本研究は順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に研究が進捗しているため、今後も基本的には計画通りに研究を進める。その中で、これまでの研究においては特に閉曲面上のグラフの持つ性質についてよい結果が得られているため、そのトピックに重点をおき、さらなる研究の展開を図る。
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Research Products
(5 results)