2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤沢 潤 慶應義塾大学, 商学部, 講師 (00516099)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | グラフ / 位相幾何学的グラフ理論 / マッチング / 国際情報交換 / ニュージーランド |
Research Abstract |
24年度は、特に閉曲面上の三角形分割(3-連結3-正則グラフの双対)におけるマッチング拡張性について大きな進展が得られた。以下、その詳細について記述する。 頂点数が2m+2以上の偶数であるグラフGにおいて「m本からなる辺の集合Mで、どの2辺も距離がd以上離れているようなもの」をどのように選んでもMを含むような完全マッチングが存在する時、Gはdistance d m-extendableであると言う。AldredとPlummerは数篇の論文にわたる研究によって、以下の結果を示した。平面上の5-連結三角形分割は 1. distance 3 4-extendableである。2. distance 4 7-extendableである。3. 任意のmに対してdistance 5 m-extendableである。一方、平面上の5-連結三角形分割でdistance 3 10-extendableでないものが無数に存在することが知られていた。 本研究では以下の結果を示した。4. 平面上の5-連結三角形分割はdistance 3 9-extendableである。5. 平面上の5-連結三角形分割は任意のmに対してdistance 4 m-extendableである。6. クラインボトル上の5-連結三角形分割は任意のmに対してdistance 5 m-extendableである。 4.,5. によって、AldredとPlummerの研究において得られていなかった最善な条件がすべて明らかになった。特に、拡張する辺の数の上界の非存在のために必要な辺の近接条件が「距離5」ではなく「距離4」であるという興味深い知見が得られた。また6.によって初めてクラインボトルでのマッチング拡張性が明らかになり、一連の研究の平面以外の曲面への拡張において先駆的な成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究によって3-連結3-正則グラフにおけるパス因子・サイクル因子に関する結果、MatthewsとSumnerの予想に関する結果、閉曲面上の3-連結3-正則グラフの双対グラフにおけるマッチング拡張に関する結果といった、多角的な成果が得られている。特に、マッチング拡張に関する研究は今後の広がりが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに閉曲面上のグラフに関する研究が進展し、特に完全マッチングについて多くの知見が得られた。今後の研究では、これまでの研究の流れに沿って閉曲面上のグラフに関する研究をより進展させる方向に進めるが、特にこれまで完全マッチングについて得られた知見をもとに、閉路問題や2-因子の存在の解明に力を入れる。
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Research Products
(8 results)