2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740075
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
原本 博史 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 講師 (40511324)
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Keywords | 応用数学 / 代数学 / 統計数学 |
Research Abstract |
2010年度は、擬似乱数列に対する繰り返し検定の研究を進める予定であった。しかし、擬似乱数利用者からの高速ジャンプ法に関する研究成果公開の要望が大きく、この研究を優先的に進めることにした。これまで(1)擬似乱数生成法メルセンヌツイスターおよびWELLに関してsliding window algorithmを用いた高速ジャンプ法および(2)メルセンヌツイスターに関する形式的冪級数を用いた高速ジャンプ法の研究を行っている。この成果に関して実験用のプログラムコードを、実際に擬似乱数利用者が利用しやすいコードに書き直し、広島大学大学院理学研究科の擬似乱数研究成果公開ウェブページに掲載した。これらのコードに関しては国内外の研究者・企業からの利用申し込みを受けている。WELLに関して形式的冪級数を用いた高速ジャンプ法については、別途研究を進める予定である。東京大学原瀬晋氏の擬似乱数の均等分布次元の高速計算法について情報収集を行い、高速ジャンプ法への応用を検討中である。2010年8月にはポーランド・ワルシャワ大学で開催された国際研究集会MCQMC2010に参加し、擬似乱数およびlow discrepancy seriesに関する情報を収集した。また東京大学松本眞教授を複数回訪問し、繰り返し検定の適用しにくい検定法に対し、既存の二重検定とは異なる新しいタイプの二重検定法を開発することになった。これは既存の検定法のように確率の近似計算による誤差を含んだ計算を避ける方法で、あるサンプルサイズで複数回検定を行い得たp値に関して、その分布を二項分布によって検定を行う。このアルゴリズムについて現在プログラムの実装を行っている。
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