2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22740075
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
原本 博史 愛媛大学, 教育学部, 講師 (40511324)
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Keywords | 応用数学 / 代数学 / 統計学 |
Research Abstract |
本年度は、サンプルサイズを増やしながら検定を行い、これまでよりも明確に擬似乱数の分布の偏りを検定する繰り返し検定のプログラムコードの完成及びウェブ上での公開を行った。本プログラムは、現在広く用いられている検定プログラム群であるTestU01正を改良したもので、10の-15乗のオーダーで擬似乱数の偏りを検定するプログラムである。研究成果は広島大学の擬似乱数研究に関するウェブページに掲載し、ユーザからのフィードバックを収集する予定である。 研究代表者らはこれまでに、ラグ付きフィボナッチ生成法の下位1ビットの0-1分布を、出力の関係式のなす空間の重み数え上げと符号理論に現れるMaCWilliams恒等式を用いて正確に計算する方法の研究を行っている。本年度はこの計算法を拡張し、下位2ビットから6ビット目について、それぞれのビットの0-1分布を正確に計算する方法を研究した。また擬似乱数の出力に有意な偏りが現れる危険なサンプルサイズを、不安定な統計的検定によちず正確に計算した。研究成果については2012年2月にオーストラリア・ニューサウスウェールズ大学で開催された国際研究集会MCQMC2012において口頭発表を行った。MCQMC2012において擬似乱数およびモンテカルロ法に関する研究成果の情報収集を行い、本研究課題の目標の一つであるジャンプによる状態計算法について利用者のコメントを得ることが出来た。特に偏微分方程式に関する具体的な応用例について情報を得たことにより、具体的な改良点(ジャンプ幅の指定)に関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の目標であった繰り返し検定のプログラムコードの完成とウェブ上での公開が実現することができた。また擬似乱数のジャンプ計算アルゴリズムについての具体的なフィードバック(必要なジャンプサイズ、偏微分方程式への応用、ユーザがジャンプ量を指定できる関数の開発への要望)により、新しい機能の追加やコードの更新に向けた情報を得ることができた。当初計画以外のラグ付きフィボナッチ生成法に関する非統計的検定に関する研究も進行し、おおむね順調に研究が進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の三点を中心に研究を進行する。(1)繰り返し検定法に関するユーザからのフィードバックの収集。現在のプログラム利用によって、新しい擬似乱数生成法を開発する際、従来の検定法との優位性を知る必要がある。プログラム利用者を増やすことにより、有益な情報を収集したい。(2)ジャンプ計算法プログラムの発展。上記進捗状況でも述べた通り、数々のフィードバックが得られており、特にジャンプサイズの計算部分について改良が急がれる。高速な計算アルゴリズムの開発とその実装を目指す。(3)ラグ付きフィボナッチ生成法の非統計的検定。これまでは注目するビットの0-1分布を中心に研究を進めてきたが、これを発展させ下位の数ビットの分布と多項分布との関連について研究する予定である。
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Research Products
(2 results)