2012 Fiscal Year Annual Research Report
大域的最適化手法を用いた新しい粉末未知構造解析アルゴリズムへのアプローチ
Project/Area Number |
22740077
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
富安 亮子 (大石 亮子) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30518824)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 粉末未知構造解析 / 粉末指数付け / 二次形式 |
Research Abstract |
平成25年度は粉末指数付けの新規アルゴリズム・ソフトウェアに関わる論文を4本執筆し、うち3本は年度内にIUCrの国際学術誌に受理された。ただし、粉末指数付けとは、観測された格子ベクトル長さに関する有限個の情報より3次元結晶格子のパラメータを決定する解析のことで、粉末未知構造解析の最初のステージとなる。ここがうまくいかないと次のステージに進めないため、非常に重要な解析である。しかしながら、解の一意性が成立しない(有限性は成立する)ことが知られているため、更なる情報を使用しない限りは、全ての解を提示することが、アルゴリズム上可能な、最良の結果と言える。論文は、それぞれ、(a)格子パラメータのソートを行うfigure of meritの提案,(b)粉末指数付けの全ての解を列挙する新規アルゴリズム,(c)(b)の手法を実装したソフトウェアConographの結果, に関して述べたものである。解の一意性が成立しないことが知られている複数のケースにおいて、実際の粉末回折パターンから全ての解を、一般的な方法により取り出せたことを(c)において示している。また本年度は、粉末指数付けソフトウェアConograph GUIの配布をweb上にて開始した。粉末指数付けは過去半世紀に渡って研究されており既存のアルゴリズムもソフトウェアも豊富に存在する。現在GUIのマニュアルの英訳が終了しておらず、開発者は数学者で、粉末指数付けのユーザが属するコミュニティにそれほど深い関係がない、という状況にも関わらず、論文出版後1, 2ヶ月で、(c)の論文とともに、ソフトウェアConographのページが、"powder indexing"でgoogle検索すると最上位の頁に出るようになった。本研究のインパクトが大きいことが分かる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|