2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740081
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
平田 賢太郎 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30399795)
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Keywords | 半線形楕円型方程式 / 境界挙動 / ハルナック不等式 / 除去可能集合 / ハウスドルフ次元 |
Research Abstract |
本年度は,非線形項を伴う楕円型方程式の正値解の性質や境界付近での振る舞いが非線形性と領域の複雑さに如何に影響されるかをポテンシャル論の観点から考察した.滑らかな有界領域では,非線形指数が(n+1)/(n-1)以下ならば,全ての正値解は境界までの距離の1-n乗で評価された.しかし,複雑領域では境界までの距離関数を用いては良い評価を得ることができず,従って適当な評価を得るための非線形指数の範囲の決定も問題となる.そこで,領域によって定まるグリーン関数の境界減衰度とマルチン核の核の付近での増大度の関係に着目し,調和増大度と非線形指数の範囲の間の関係を導き解決を図った.具体的には,領域のグリーン関数の境界減衰度によって決まる定数があって,非線形指数がその定数以下ならば,全ての正値解の境界付近での増大度は正値調和関数と同様であることを明らかにした.更に,ポテンシャル論における古典的結果を用いて,逆平均値の不等式やハルナック型の不等式も導くことができた.バブル集合の非極小尖細性とナイム・ドゥーブの定理を用いた議論により,主目的であった2つの正値解の比に対する非接極限の存在を明らかにすることができた.また,半線形楕円型方程式の解のヘルダー連続性と除去可能集合のハウスドルフ次元の関係についても考察した.
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Research Products
(2 results)