2012 Fiscal Year Annual Research Report
境界条件に微分を含むストークス作用素の解析とその応用
Project/Area Number |
22740084
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山口 範和 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (50409679)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | ナヴィエ・ストークス方程式 / 処罰法 / 解析半群 / 誤差評価 |
Research Abstract |
流体力学に現れる非線形偏微分方程式であるナヴィエ・ストークス方程式について考察を行った。 【ナヴィエ・ストークス方程式系に対する処罰法について】 ナヴィエ・ストークス方程式等,流体の運動方程式の数値解析において,圧力項から生じる困難を回避する方法の一つとして処罰法と呼ばれる方法がある(Temam(1968))。処罰法により得られる近似方程式は陽に圧力を含まない為,取り扱いが幾分容易になる。これまで,有界領域における処罰法の数学的正当化については幾つかの先行研究があった(Temam(1968),Shen(1995))が,非有界領域においては殆んど結果が知られていなかった。本研究では,非有界領域において処罰法の数学的正当化を行う第一歩として全空間での解析を行った。後に外部問題等を扱うための準備として,ストークス方程式のレゾルヴェント問題についての解析を行った。基本解を第2種変形Bessel関数を用いて表示し,基本解の表示に基づく解析を通して,解のLp-Lq型の評価を示した。また,得られた評価の帰結として,パラメータ極限として,通常のストークス方程式の解へ収束する事を証明した。また,ナヴィエ・ストークス方程式に対する初期値問題については,線形化問題の解の評価を処罰法から生じるパラメータに依存した形で導出した。特に圧力項の評価を得た部分が新しい結果である。これにより,非線形問題については,加藤(1984)の逐次近似法と同様の手法により構成される軟解については,パラメータ極限として,真の解へ収束する事が証明された。但し,非線形問題については圧力項の評価が未だ得られていない。非線形問題の場合の圧力項の評価や,外部領域や半空間等の境界を伴う場合の解析は今後の課題である。 上記の研究成果については一部を数理解析研究所講究録へ投稿した。残りの部分については投稿を準備しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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