2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740093
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
赤木 剛朗 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (60360202)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形解析 / 発展方程式 / 解の漸近挙動 / 偏微分方程式 / 関数解析 / 変分法 |
Research Abstract |
平成24年度は,球対称領域における fast diffusion 方程式の解の漸近挙動の安定性解析,および変動指数を含む二重非線形発展方程式の可解性に関する未解決問題に取り組み,以下の成果を得た. (1)球対称領域における fast diffusion 方程式の解の漸近形の安定性解析 平成23年度までの研究成果によって導入した解の漸近形の安定性解析の枠組みに従い,それまでの安定性判定条件ではカバーできなかった円環領域上の球対称な漸近形の安定性を調べ,空間2次元ではそれらが不安定になることを,高次元では漸近安定にはならないことを証明した.証明は,球対称な漸近形に対する新しい摂動法の導入と,摂動を与えた初期値からスタートする fast diffusion flow の解析に基づく.また不安定性の証明では,Emden-Fowler方程式の正値球対称解における線形化作用素のスペクトル解析を行っている.さらに,ここで導入した証明法を EF 方程式の解の対称性の崩れ,部分対称性の研究に応用し,楕円型方程式の解の定性解析に対する新しい手法を提案した. (2)変動指数を含む二重非線形発展方程式の可解性 平成23年度までの研究によって,変動指数を含む非線形発展方程式の可解性,解の漸近挙動を調べるための数学的枠組みが与えられたが,今年度は変動指数を含む多孔質媒体方程式型の二重非線形発展方程式を扱い,その解の存在を保証する一般的枠組みを構築した.証明では変動指数を含む関数空間の最近の結果と共に,古典的な発展方程式論・作用素論の道具立てを改良している.またここで得られた結果は特定の方程式だけではなく,類似構造をもつ一般的な発展方程式に適用可能なものとして定式化されている.変動指数が入った問題の研究によって幾つかの古典的な枠組みの欠点が明らかになり,本研究ではそれらを克服している点にも留意する.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)