2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740094
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡部 拓也 立命館大学, 理工学部, 助教 (80458009)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 準古典解析 / 完全WKB解析 / 変わり点 / 断熱遷移確率(パリ) / 準古典超局所解析 / レゾナンス(ボローニャ) |
Research Abstract |
最終年度である平成24年度は、本研究の主要な課題であったZerzeri氏との共同研究「2準位エネルギー間の断熱遷移確率」に関する研究成果の発表と論文投稿に重点を置いた。この研究は、完全WKB解析の立場では、準古典パラメータに相当する断熱パラメータとエネルギー交差に付随する相互作用パラメータの2つを含んだ変わり点の合流問題の研究である。今年度は、複素共役な2つの変わり点が合流する場合についての結果を論文として投稿し掲載に至った。またこの結果に関しては、数理解析研究所で連続講演させて頂き、さらにはパリ13大学にて講演させて頂いた。 上記の研究を経て、複数回交差する2準位エネルギーの断熱遷移確率の主要項に現れる相空間上の幾何学的量が経路積分として特徴付けられるという予想を得たが、それを確かめるには至らなかった。また、最終目標であった相互作用パラメータを2つ組み込んだ4つの変わり点の合流問題についても解決には至らず、これらは今後の課題である。 並行して取り組んだ課題としては、それぞれ前期には浦部氏との共同研究、後期にはMartinez氏、藤家氏との共同研究を行った。前者は「同次性に基づいて常微分方程式に帰着できる偏微分方程式の特徴付け」の研究であり、この結果も論文として投稿し掲載に至った。この結果は、完全WKB解析の偏微分方程式へのひとつの拡張として期待できる。後者は「2準位エネルギーの交差が生成する2×2型のシュレディンガー作用素のレゾナンスの準古典分布」の研究である。本質的に4階の方程式であるこの問題において、完全WKB解の大域的な接続は困難であり、特に変わり点が重なる点における解の接続問題は未解決問題である。今年度の渡航期間において、我々はYafaev氏のエアリー方程式の接続問題の結果を拡張することを行った。この研究に関しては現在も取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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