2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740099
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松井 宏樹 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40345012)
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Keywords | 作用素環 / 群作用 / 極小力学系 |
Research Abstract |
単純なC*環への群作用に関しても研究した。まず、泉正己(京都大学教授)との共同研究により、Kirchberg環という広いクラスのC*環に対して、poly-Z群の作用の分類に関して成果をあげた。具体的には、poly-Z群の外部的な作用がRohlin性を持つことを示し、Hirsch lengthが3以下の群作用を分類した。また、佐藤康彦(京都大学学振特別研究員)との共同研究により、(ある種の)核型C*環に対してstrict comparisonとZ-stabilityが同値になることを示した。この結果は将来のC*環の分類理論において極めて基本的な重要性を有すると考えられる。さらに、UHF環やJiang-Su環への群作用の分類に関しても多くの成果を得た。カントール極小系から生じる位相充足群についても研究し、力学系が拡大的であるならば位相充足群は指数増大度を持つ事を示した。 2011年6月にスペインのCRMで行われた研究集会や、2011年6月に上海の華東師範大学で行われた研究集会や、2011年9月に京都のRIMSで行われた研究集会や、2012年3月に東京理科大学で行われた日本数学会年会において、これらの研究成果を講演発表した。現在、分類の対象となる環や群をさらに一般化する方向で研究を進めている。射影を含まない環への群作用の分類は特に重要であると考えられる。単純C*環への群作用の分類は作用素環論における最も基本的な問題の一つであり、これらの研究は先駆的で且つ発展性のある成果であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UHF環・Jiang-Su環・Kirchberg環のいずれに対しても、群作用の分類をさらに前進させることが出来たが、まだ完全解決には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に成果をあげており、研究の方向性に間違いはない。今後は分類の対象となる群をさらに一般化する事を目指す。
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