2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェッファーマン・プログラム,スペクトル幾何および非可換幾何
Project/Area Number |
22740101
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ポンジュ ラファエル 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 協力研究員 (30549291)
|
Keywords | 非可換幾何 / CR幾何学 / 接触幾何学 / 擬微分作用素 / 指数定理 |
Research Abstract |
次の3つの研究を進めた: (1)CR幾何学および接触幾何学における局所的指数定理の非可換幾何を用いた再構成を試みた。非可換幾何の枠組みでは、多様体の構造はスペクトラル・トリプルでとらえることができる。CR多様体の場合に対応するスペクトラル・トリプルはKohnおよびRossiによって定義されたCauchy-Riemann複体で与えられる。他方、接触多様体に対応するスペクトラル・トリプルはRumin複体で与えられる。スペクトラル・トリプルのデーターからChern種数を用いることにより指数写像が定義される。そこから指数公式を得るにはスペクトラル・トリプルからConnes-Chern種数を求める必要がある。その過程では、複体に対応するラプラシアンの熱核の漸近解析が用いられる:現在その研究を進めている。 (2)Colin Guillarmou氏および平地健吾氏とともに、漸近的複素双曲計量に関する散乱行列の複素平面への解析接続が有理関数であることの証明を試みた。そのためにサブラプラシアンの幕を主要部とするCR不変微分作用の解析を行った。この結果は凸コ・コンパクト複素双曲多様体のSelbergゼータ関数の研究への応用が期待できる。 (3)CR幾何における正則Morse不等式の研究を進めた。これはCR正則直線束の冪を大きくするときのKohn-Rossiコホモロジー群の次元の漸近挙動の評価を与えるものである。複素幾何においてはDemaillyによる結果が80年代に得られており、正則Morse不等式はMoishezon多様体の正則直線束による特徴付けを与えるGrauert-Riemenschneider予想の解決に応用されている。正則Morse不等式のCR幾何での類似を与え、その応用としてCR Moishezon多様体の複素多様体への射影的埋め込みを考察した。
|
Research Products
(7 results)