2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 界面運動 / 自由境界問題 / 平均曲率流 / 体積保存 |
Research Abstract |
本研究の目的は界面現象で現れる接触角の運動や「体積が保存される」といった拘束による影響の数理解析である。まず、液滴が固体上を動く現象を考え、液滴の形状がスカラー関数で表現される数学的モデルにより定式化した。このモデル方程式は放物・双曲型あり、その特徴として液滴が固体と空気と交わる自由境界上の特異項を含み、体積条件による非局所的な項を含むということが挙げられる。放物型問題に対して、接触角がゼロであるという正則化問題でも体積保存の効果により自由境界が現れ、その解の存在と正則性を証明した。正則化を行わないシャープな接触角の問題についてガンマ収束というツールを使って解を構成したが、接触角の挙動の詳しい解析を行うには解のサポートが有界であることが不可欠であることがわかった。しかし、非局所的な効果のため比較原理など通常の偏微分方程式の道具が利用できなく、サポート評価が得られず、今後の課題となっている。双曲型問題は一般に非常に困難とされるが、空間1次元の場合にある種の解の存在が示された。双曲型は放物型と違い、接触角の大きさが運動状態に依存するという興味深いことがわかり、今後はヒステレシスとの関連について研究する。 次に、ジャンクションを持つ複数の界面の体積保存する曲率流という、上のスカラー問題をより正確にし一般化された問題を研究した。多相問題でジャンクションの接触角と体積保存を考慮した結果はこれまで得られていなかったが、BMOアルゴリズムをベクトル値に拡張することにより近似を行い、その形式的な解析と数値計算を成功させた。数値解析の工夫としてベクトル値距離関数を導入し、このアプローチが多相平均曲率の数学的定義につながることが示唆され、双曲などより一般的な運動への拡張も可能であることがわかった。 上の考察を弾性体リングが障害物に衝突し跳ね返る現象における自由境界の効率的な数値的扱いにも応用した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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