2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22740104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴山 允瑠 京都大学, 数理解析研究所, 特定研究員(グローバルCOE) (40467444)
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Keywords | N体問題 / 天体力学 / 変分法 / ハミルトン力学系 / 特異点解析 / 可積分性 / 摂動論 / 周期解 |
Research Abstract |
前年度から矢ヶ崎氏との共同研究で継続していた二等辺3体問題の相対周期解の族の研究について,分岐現象の数値計算を詳細に行い完成させた. N体問題およびそれを一般化した斉次Hamilton系において特異点のブローアップ理論を用いて可積分性の判定を行った.PainleveのM-テストと呼ばれる可積分性の判定に関わる仮説は現在Ziglin解析や微分Gaiois理論の確立により,達成されつつある。これらは複素微分方程式論的手法であるが,本研究の試みは全く異なるブローアップ理論によるアプローチである。Ziglin解析や微分Galois理論は重要な理論であるが,別の理論による判定条件を求めることができた.さらなる一般化ができそうなので,今後も研究を継続する計画である. また,変分法によりN体問題の周期解が多数求められている.数値計算による発見も相次いでいるが,その中には理論的な存在証明が困難なものも多い.特に,単舞踏解という軌道は非常に興味深い軌道で数値計算によりたくさん求められているが,理論的な存在証明がなされているのは8の字解のみである.そこで,単舞踏解について,数値計算によりMorse指数を求めた.この結果は,変分法によるアプローチへの手がかりとなると期待される.
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