2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 允瑠 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (40467444)
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Keywords | 周期解 / 変分法 / 多体問題 / 天体力学 / 勾配法 / 対称性 / 峠の定理 / ハミルトン力学系 |
Research Abstract |
本年度は,変分法を用いて様々な周期解を求めた. 等質量N体問題において,全ての質点が互いに追跡し合うという対称性を持つ周期解を単舞踏解という.3体問題の8の字解と呼ばれる解の存在証明は,N体問題の研究の中で大変インパクトのあるものであったが,これも舞踏解の1つである. 4体問題の超8の字解と呼ばれる舞踏解は10年前に数値シミュレーションにより発見されていた.その存在証明は技術的な困難さがあったが,衝突特異点のブローアップ法などの応用により,本研究においてその理論的存在証明を実現した. また,舞踏解的対称性とある種の反転対称性を課したもとでの変分構造では2つの自明解が作用積分の最小点になるが,その間の峠点に該当する解として新しい周期解を得た. 数値計算結果としては,単舞踏解的制約のもとでの作用積分の局所最小点を徹底的に求める勾配法を基にしたアルゴリズムを構築し,膨大な数の周期解を数値的に求めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周期解を探索する試みの中で,変分法的手法をかなり発展させることができた.本研究の目標はより複雑な軌道を変分法により求めることであり,次年度からはこれまでの手法を用いて,シンプルなモデルにおける複雑な軌道を求めることが出来ると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は3体問題において1質点を無限小とし,さらに対称的な運動のみに制限した問題において,変分法により振動解の存在証明を実現する.さらにその次の最終年度では,質量がある場合の振動解の存在,および非衝突特異点の存在について変分法的証明を試みる.
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