2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22740104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 允瑠 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (40467444)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 変分法 / N体問題 / 周期解 / ハミルトン力学系 / 天体力学 / 衝突 / 特異点 / 摂動論 |
Research Abstract |
3次元空間にある質点の運動について, 単舞踏解的制約のもとでの変分構造では, 最小点は無限個あり自明解の族をなす. そこで弱い対称性を課すことで, 最小点を孤立した2点になる設定にし, その2点間にある峠点の存在を示すことで非自明な単舞踏解の存在を証明した. 4体問題の超8の字解は, 10年以上前に数値計算により発見されていた解だが, その理論的な存在証明はまだなされていなかった. 本年度の研究により, 超8の字解のの変分法による存在証明を完成させた. 本研究の最大の目的であった複雑な解への変分法的なアプローチも進展した. 3体問題において1つの質点の質量を0, 残りの2質点を等質量とし, さらに3質点がz軸に関して対称的な二等辺三角形であり続ける運動のみに限定した問題, いわゆるSitnikov問題において, 解に対応する可能な記号列を考え, 各記号列に対してそれを実現する解の存在を変分法により証明した. 特に振動解の存在も分かるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変分法によりいくつかの周期解を発見することができた. 特にこの分野で難問とされていた超8の字解の存在の証明を達成できた. 本研究の最大の目的である複雑な解を変分法で求めることは, Sitnikov問題において達成することができ, 着実に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
3体問題において1つの質量を0にしたSitnikov問題において, 振動解の存在を示すことができた. それを, 質量正の場合に拡張することを試みる. 変分構造が根本的に変化する部分があるが, Rabinowitz理論の応用などにより達成できると考えている. さらには, その手法をさらに発展させ, 4, 5体問題の非衝突特異点の存在証明を目指す.
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